2026.09.12
みなさまこんにちは、副院長の山本淳史です
前回は「肝臓の役割」についてお話ししました
栄養を蓄えたり、有害な物質を分解したり、胆汁を作ったり……
肝臓は、私たちが生きていくために欠かせない臓器です
では、そんな肝臓が長い間傷つき続けるとどうなるのでしょうか?
今回は、「肝硬変ってどんな状態?」というお話です。
肝硬変とは、肝臓が長い間ダメージを受け続けた結果、たくさんの傷あと(線維)ができて、硬くなってしまった状態です
本来やわらかい肝臓が徐々に硬くなり、うまく働けなくなってしまう病気、と考えるとイメージしやすいと思います
どうして起こるの?
肝臓は多少のダメージなら回復できますが、それが長期間続くと修復が追いつかなくなります
主な原因は、
・お酒の飲みすぎ
・B型・C型肝炎などのウイルス
・脂肪肝
・自己免疫による肝臓の病気
などです
こうした状態が何年も続くことで、少しずつ肝臓が傷つき、硬くなっていきます
肝硬変になると、大きく2つの問題が起こります
① 肝臓の働きが落ちる
解毒や栄養管理、タンパク質を作るといった肝臓本来の働きが低下します
その結果、体がだるい、むくむ、血が止まりにくい、といった症状が現れることがあります
② 血液の流れが悪くなる
肝臓が硬くなると血液が通りにくくなり、いわば「血液の渋滞」が起こります
その結果、お腹に水がたまる(腹水)、食道や胃の血管がこぶのように膨らむ(静脈瘤)、脾臓が大きくなる、といった問題が起こります
実は、肝硬変になっていても初期にはほとんど症状がないことがあります
肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる理由の一つです
進行すると、黄疸、腹水、意識がぼんやりする(肝性脳症)などの症状が現れることがあります
つまり、「症状がない=肝臓は大丈夫」とは限りません
元に戻るの?
肝硬変まで進行すると、完全に正常な肝臓へ戻すことは簡単ではありません
ただし、お酒やウイルス、脂肪肝などの原因にきちんと対処することで、進行を防ぎ、肝臓の状態が改善することもあります
そのため、できるだけ早い段階で肝臓の異常に気づくことが大切です
一言でいうと……
肝硬変とは、
「長年のダメージによって肝臓が硬くなり、働きも血液の流れも悪くなった状態」
では、肝臓をそんな状態にしないために、私たちにできることは何でしょうか?
次回は、「肝臓を守るにはどうしたらいい?」についてお話しします